県政レポート
 
 

●県政レポート

2001年は21世紀最初の年ということもあり、世界中の人々が希望に満ち溢れた思いで新世紀を迎えたわけでありますが、多くの混沌とした出来事があり、新たな世紀の始まりにくらい影を落としました。
その際たるものが、9月11日にアメリカで起きた人類史上未曾有の大惨事となった同時多発テロ事件です。理由が何であれ、テロという社会全体に対する無差別殺人行為は決して許されるものではありません。
日本も速やかにテロ特措法を成立させ国際社会と行動を共にしたことは評価できます。

 事件の首謀者と見られるオサマ・ビンラディンをかくまったアフガニスタンのタリバン政権も崩壊し、ビンラディンの追跡も終盤を迎えました。テロに係わったグループヘのしかるべき制裁と今回の事件の徹底解明を図ることは大切です。しかし、今回の出来事を通して払が感じたことは、ポストタリバンの政権樹立を平和裏に進め、ビンラディンの捕獲を達成しても、決
して問題の根本解決にはならないということです。つまり、真の勝利宣言を国際社会が行う為には、第2第3のビンラディンが出てこない世界株序を作り、イスラム原理主義の温床になる貧困の撲滅を図らなければならないということです。そして、冷戦構造崩壊後顕著になった、アメリカの世界戦略、更に突き詰めると、自由主義の思想にもとづくグローバリゼーション、lT革命といった近代的価値観、合理主義、進歩史観にも問題点が無かったのかどうかの検証も必要です。今回のテロ事件を溯ってみるとアメリカの中東政策、なかでもイスラ工ルに肩入れしすぎた外交政策は、同地域のパレスチナ人、イスラム教国から反発を招いていることが明らかになりました。グローバリゼーションヘの礼賛も世界各国での富の偏在による貧富の格差を生じさせ、環境破壊をもたらします。つまり、ここで明らかにしたいことは、20世紀の国家の発展は、アメ
リカを頂点とした自由主義国になることが成功として掲げられていましたが、決して、アメリカの価値がそのままグローバルスタンダードではないということです。

 同盟国として日本はこの点をはっきりと認識する必要があると考えます。
21世紀は多様な民族、宗教、国々が共存できる思想と枠組みが求められます。その役割を日本と沖縄が担わなくてはなりません。このような大きな時代潮流の中で、政治家としての役割は極めて大きなものがあります。時代の流れを洞察する歴史家としての役割、新たな価値観を構築する思想家としての役割、そして、国民に国の方向性を明確に示す指導者としての役割が政治家には求められます。特に沖縄を原点にする政治家にとって、基地問題を解決する為のアメリカの東アジア戦略分析と安全保障政策、雇用産業振興を図る為のマクロ経済への理解といった広い視野から「沖縄の道」を指し示さなければなりません。今年は、政治生活3年目を迎えます。多くの皆様からの熱い期待と「復帰っ子」としての使命を自覚し、「勝負の年」とする所存です。これからも尚一層のご支援を賜りますことを宜しくお願い申し上げます。

12月議会 (観光、狂牛病、失業対策一政治の意義、21世紀の沖縄の方向性−アジア外交の展開の必要)
常任委員会、
特別委員会
(−部事務組合、金融特別区一人材育成の必要性)
最終日の賛成討論 (一部事務組合)



1.新たな観光産業構築について
(1)同時多発テロに伴う観光危機について
ア、
観光客の減少と基地とのリンク論が叫ばれていますが、県は、観光客落ち込みの大部分を占める、修学旅行生の学校に対し、実際にキャンセルした理由を調査し、正確に状況を把握しているのでしょうか。そしてその対策の内容は何でしょうか。
(答) 現在、県においては修学旅行対策として、修学旅行関係者の沖縄招聘や各学校の保護者説明会への職員の派遣を行っているところでありますが、その際にキャンセルの理由について関係者からの聞き取り調査を実施しております。
 調査によりますと、航空機利用に対する不安、沖縄の米軍基地についての一部過剰な報道、一部都道府県教育委員会の通達などが主なキャンセルの理由だとのことでした。
 県においては、修学旅行関係者の招聘事業や職員の派遣事業のほか、沖縄の平穏さをアピールする文書の送付、本県での修学旅行を題材としたテレビ番組の制作・放映、広報ビデオの作製・配布、空港における歓迎式の実施やポストカードの配布、実施校に対する礼状送付等を実施しているところであります。 (観光リゾート局長)

イ、
修学旅行生のキャンセルの原因は、学校独自の判断というより、PTAの反発が大きかったといわれています。では、キャンセルを求めた学校の父母に対し直接、沖縄の現状を理解させ、不安を解消する働きかけを行ったか。
(答) 県といたしましては、その対策として沖縄の平穏さをアピールする文書を旅行社を通じて保護者へ配布するとともに、各地で開催された保護者説明会へ職員を派遣し沖縄の現状について説明を行い、沖縄への修学旅行実施を訴えてまいりました。また、修学旅行関係者招碑事業の一環として保護者の招聘を行い、沖縄の現状に対する理解を求めております。 (観光リゾート局長)

ウ、
だいじょうぶさあ〜沖縄」キャンペーン等の運動も評価できるが、沖縄観光誘客の一環として、本土の親戚、友人、知人、取引先に手紙や年賀状を書くことを奨励するといった草の根運動的な取り組みはなされているのか。
(答) 県においては、観光業界を含む経済界に対し県外の顧客に沖縄の安全性と旅行の実施を内容とするはがき等の送付を呼びかけるとともに、さきに開催された産業まつり会場において県民へのポストカードの配布を行い、県民から県外の知人等へのはがきの送付を促したほか、県の広報媒体を活用して県民ヘアピールしているところであります。
 また、近く沖縄総合通信事務所の協力を仰ぎ、県内201郵便局にキャンペーンロゴのスタンプを配置し、県民の皆様に郵便物等に押印して郵送していただくことを計画しているところであります。
 さらに、12月20日には「めんそ−れ沖縄県民運動推進協議会」臨時大会を開催し、県民一体となった沖縄観光誘客活動を呼びかけてまいりたいと考えております。 (観光リゾート局長)

(2)新たな観光産業の構築について
ア、
臨時議会で緊急措置として組み込まれた観光誘致対策事業費は、本土大手の航空会社、旅行代理店に依存しない県独自の観光客誘致事業費として次年度から当初予算に組み込むべきではないか?      
(答)

去る9月11日の同時多発テロ事件により、修学旅行を中心にキャンセルや旅行の手控えが相次ぎ、沖縄観光に多大な影響を与えていることから、県におきましては国の支援を得て補正予算を計上し、観光業界とも連携を図りながら各種誘客キャンペーンを実施しているところであります。
なお、テロの影響による誘客キャンペーンなどの支援策に関しましては、今後とも引き続き教科してまいりたいと考えており、次年度における観光誘致対策事業予算についてもよリー層の事業展開を図るべくその拡充に努めてまいりたいと考えております。 (観光リゾート局)

 

イ、
観光が総合産業であり、沖縄振興計画の中でも最重要産業として位置付けられている以上、観光行政の更なる強化のため、国で行われた省庁再編のように県庁の行政機構そのもののあり方も変容が迫られていると考えるがどうか。
特に観光リゾート局に関係の深い、商工労働部、農林水産部の機構改革は必要だと考えられるがどうか。また、他県の事例も報告していただきたい。
(答) 観光に関する組織は昭和47年5月15日、沖縄県発足時に労働商工部観光課として職員15人体制で発足し、数回の組織改革を経て現在の商工労働部観光リゾート局観光企画課及び観光振興課の2課、職員27人体制で業務に当たっております。観光関連の行政組織については、多岐にわたる観光行政の組織強化に関する提言・要望があります。
このような中、多様化する観光ニーズに対応するため、特に平成13年度においては組繊を強化し、観光振興課内に「国際会議誘致班」を設置するとともに、今回のテロ事件に対応するため臨時の「特別誘客対策王此」を設置しているところであります。
観光・リゾート行政は、幅広い産業分野に関連がありますことから、農業水産部、土木建築部、教育庁など関係部局との連携を強化し、今後増大する多様な観光ニーズや緊急事態にも十分対応できるよう体制の強化に努めてまいりたいと考えております。 (観光リゾート局長)
本県においては、観光・リゾート及びコンベンションに関する組繊として観光リゾート局を設置しておりますが、観光に特化した局の設置は本県と和歌山県となっており、ほとんどの県においては商工労働部の中に観光関連の課を設置しております。また、商工部門と農林水産部門を−つの部局としているのは、宮城県ほか3都県となっております。

 観光に関する組織につきましては、観光リゾート【ト局の事業執行体制に関する検討結果を踏まえ、観光・リゾート産業の振興のための施策・事業が迅速かつ効果的に推進できる体制づくりについて検討してまいりたいと考えております。 (総務部長)
ウ、
現在行われているフィルムコミッション設立に向けた500万円の「エンターテイメント可能性調査」の進捗状況ははどうか。またフィルムコミッションの他県の事例をどの程度把握しているのか。県が参考になる事例があれば紹介してほしい。フィルムコミッションを県庁内のどの部局が管轄する考えなのかも明らかにしてほしい。
(答) 県では、平成13年度においてフィルム・コミッション設立の意義や映像産業誘致の可能性などに関する委託調査を実施しているところであります。
調査に当たっては、まず海外の最新状況の把握に努めるべくアメリカのハリウッドにおける映像産業の実態や、その他の中心都市でのロケーション誘致の実情等について調査を実施しているところであります。
また、国内につきましても既にフィルム・コミッションが設置されている他県の状況の把握に努めているところであります。中でも大阪市、神戸市等の自治体の取り組み等につきましては、フィルム・コミッションの設置形態や活動状況、設置予算等の面から本県が参考とすべき点が多いのではないかと考えております。県では、この調査結果を踏まえ、今後の取り組みについては観光リゾート局や関係機関との調整を図ってまいりたいと考えております。(商工労働部長)

エ、
11月12日、13日に開催された沖縄国際長寿会議の結果についての報告と産業振興社内にある国際長寿会議の事務局は、国内外のメディアヘの対応等すで存続が不可欠だが、その対応ができているのかについて問う。また、長寿ブランドの確立による沖縄振興の可能性について、知事の考えを聞きたい。  
(答) 去る11月12、13の両日に万国津梁館で開催された沖縄国際長寿会議は、14力国、約250名の参加者を得て成功裏に終了しました。会議では、内外の著名な研究者による講演やディスカッションが行われ、沖縄の健康・長寿が世界へ発信されるなど大きな成果を上げたものと考えます。
 健康食品関連産業の育成を図るためには、健康食品の機能性についての科学的な解明を進めるなど産学官連携による研究開発を促進する必要があります。また、国内外の大学、研究機関及び沖縄国際長寿会議等を通じて構築された内外の研究者とのネットワークを強化することが必要であると考えております。
 今後、県としましては「沖縄県産業創造アクションプログラム」に基づく「り工ルネスアイランド沖縄」の創造を基本コンセプトに、健康食品ブランドの確立や健康食品業界への支援等を通じてこれまで以上に健康食品関連産業の振興に取り組んでいきたいと考えております。 (知事)


オ、
恩納村で第4回バリアフリーダイビング全国大会が開催されました。障害者と高齢者を対象とした観光誘致策という側面、ダイビングというリピーター率の高い事業であるという点、そして、国際競争力のある「沖縄の海」という観光資源を活用してのバリアフリーダイビングは、沖縄こそ、メッカになる可能性を秘めています。そのためには、専用の着水施設や障害者対応のホテル等の整備が不可欠ですが、このことは、「健やかで誰もが安心して暮らせる社会作り」を目指す、県の理念と一致します。そこでお聞きします。県は新たな沖縄観光の振興として、バリアフリーダイビングの可能性をどのように考えているのか。
(答) 現在、バリアフリーダイビングは、大手工−ジ工ントが旅行商品化し、高齢者や障害者の皆さんが来県してダイビングを楽しんであります。また、バリアフリーダイビング全国大会が毎年沖縄で開催され、第4回目となることもボランティアを含め県外から約150名の方が参加いたしました。
 沖縄は、ダイビングに適した美しい海に囲まれ、また高齢者や障害者に優しいホスピタリティーにあふれる県民性により、バリアフリーダイビングは今後有望だと考えております。
 県では、高齢者や障害者が安心して生活できる福祉のまちづくりを推進しており、交通機関や観光施設、宿泊施設などのバリアフリー化をさらに進めることにより、バリフフリーダイビングは一層伸びるものと考えております。(観光リゾート局長)
 今議会においては狂牛病、失業・雇用対策、情報通信産業の振興とlT教育、大那覇国際空港の整備、児童虐待、中華圏外交の展開についてなど7つの項目について質問しました。また、総務企画委員会においてコクバは那覇軍港移設に伴う那覇港管理組合の設立や県が那覇港の港湾管理者に加わることについての議決案件で賛成演説も行いました。



●コクバ、総務企画委員会で那覇港管理組合設立及び県が那覇港の管理者に加わることについての賛成討論行う


 今議会においてコクバの所属する総務企画委員は那覇軍港移設に伴う那覇港管理組合の設立や県が那覇港の港湾管理者に加わることについての議決案件を5人が反対する中で可決しました。この議決案件においてコクバは与党を代表し
て、琉球王朝が中継貿易体制を確立した大航海時代という歴史的観点からとアジア・太平洋の交流拠点、産業の振興と経済の自立を目指す沖縄県にとって、欠かす事の出来ない必要不可欠な社会インフラであり、那覇港国際交流港湾の実現という観点から賛成討論を行いました。
 


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