ふるさと・チャレンジ

 

 

●平成15年6月9日

週刊「コクバ」(6月1日〜7日)




教育を考える

教育問題は、もっとも身近な政治テーマであり、誰もが、自らが最もリアリティーを感じる教育問題を語れます。その一方で、議論が
総花的、抽象的に語られている分野も教育問題です。それは、「個性」や「多様化」の名の下で、個々人の教育への概念と教育を行う主体である家庭、学校、地域、行政等の教育概念が統一されてない点にあると思います。私の定義する学校教育の役割は、「現代社会に於いて様々な個性、価値観が散在していることは認めるし、個人の持つ長所を伸ばすことになんら異論は無いが、本来学校教育で求められることは、多様な考え方があるにせよ、最低限、すべての日本人の児童、生徒が踏まえるべき、価値観、知識、情報、教養、人格の陶冶のあり方」ということです。その意味では、教育現場で教師が提供する内容は画一的であるし、そうでなければ公共の教育として機能しないということです。個性や多様性はその上で発揮すべきものではないでしょうか。確かに、一昔前は、偏差値一辺倒の教育のあり方に対し多くの非難が出ておりましたが、私がここで強調したいのは、偏差値や個性重視やスポーツ等の根底に流れる教育の根本的な内容です。最も、よりよい環境の教育機関に進学を希望するものは、あくまでも学力を測るひとつの尺度かもしれませんが、偏差値における競争原理の中で競うことが当然だと思いますが。

教育基本法

学力の低下がマスコミで騒がれるようになりました。しかし、「山口小学校の奇跡」、「百ます計算」で有名な陰山英男先生によると、
最近の子供たちは学力だけでなく、体力、気力と生命力そのものが低下をしており、学力の向上のためには、生活習慣の改善と反復練習による基礎学力の習得の重要性を指摘しています。私もまったく同感です。個性とか多様性の大前提に、子供達に普遍的に教える内容があるはずです。その根幹にかかわるものが、教育の憲法といわれる教育基本法です。

3月20日に、中央教育審議会により「新しい時代にふさわしい教育基本法と教育振興基本計画のあり方について」の答申が出されました。
今は日本社会全体が、自信喪失感や閉塞感が広がり、少子高齢化、経済停滞によって活力が失われております。子供というのは社会を映す鏡です。教育の現場に見られる規範や道徳心の喪失、いじめ、不登校、中途退学、学級崩壊、学力の低下等の荒廃は、現在の世相を子供たちが反映しているといっても過言ではないのです。ですから教育の改革は、教育を根本から見直し、日本人のあり方を問い直さなければなりません。学校教育法、社会教育法などすべての教育法規の根本法となっている教育基本法の見直しが叫ばれているのもくだんの文脈からです。改正の視点は以下の7つです。

1、 信頼される学校教育の確立
2、 「知」の世紀をリードする大学改革の推進
3、 家庭の教育力の回復、学校・家庭。地域社会の連携・協力の推進
4、 「公共」に主体的に参画する意識や態度の涵養
5、 日本の伝統・文化の尊重、郷土や国を愛する心と国際社会の一員としての意識の涵養
6、 生涯学習社会の実現
7、 教育振興基本計画の策定

教育基本法の見直しは、「個人の尊厳」などの憲法の理念に則った普遍的なものは今後とも継承しながら、時代の変化を踏まえて新たなものを付け加えるということです。

「修身斉家国平天下」という言葉があります。君子たるものは、己を治め家庭を安定させた上でないと天下を治めることができないという意味です。戦前の教育勅語を復活せよとは言いませんが、人格や躾、精神的規範を重んじる精神風土は再生すべきです。そして、現行の基本法は、中曽根康弘元総理が指摘するように立派な内容ではありますが、歴史や伝統、あるいは共同体という概念がありません。
個人の尊重も大切ですが、共同体意識の醸成も不可欠なのです。学級崩壊や社会倫理の喪失も共同体の意識が欠如していることが要因であるともいえます。勿論、何を持って共同体と捉えるのかを論じることは必要ですが、個々人の好み、価値観の多様化を「時代の流れだからしょうがない」と割り切るのは論外でしょう。

後、人間とは先祖から綿々と続く歴史的存在であるという価値観を形成させることも教育の役割です。巷では、他人に迷惑をかけなければ何をやっても構わないという価値観が横行しています。援助交際などはその際たるものでしょう。しかし、一人の人間が存在するのは、親や先祖との関わり、他人との関係性によって人間は人間足りえるのです。

だからこそ、教育基本法の中に、共同体の概念を加え、更に、日本、故郷の歴史、文化、風土を感じられる内容にし、その上に多元的
国際的な要素を織り交ぜることが求められるのです。

教育と就業

本県では若年層の失業対策が深刻な問題である。失業問題は社会の各層多様的な観点からしか解決は図れませんが、本県の場合、就職内定率が本土に比べて絶望的に低いことが問題点として指摘されています。

高卒の就業率(内定率)に関すると、学校長、就職担任の熱意、能力が内定率と関連することが大きいのです。県の担当者は各校の内定率を非公開としているようですが、大学進学状況は公開しているのに、なぜ、就職状況は非公開なのかの合理的な理由は明らかにされていません。私は断固として、各校別の内定、就業状況も公開するべきあると主張してます。

教育現場でも、勤労意欲、職業倫理の育成は急務になりつつある。若年層の高失業の中、就職セミナーを開催しても若者が集まらないのはなぜなのでしょうか?親と教師も姿勢が問われています。

外国語教育特区

ほとんどの授業を英語で教える小中高一貫の「太田国際アカデミー(仮称)」が群馬県太田市で2005年4月から開校します。
詳細な内容は、太田市総合政策課で、調べることが可能です(0276−47−1809)

本来であれば、本県が英語、中国語、韓国語等の外国語特区を獲得すべきであったと猛省しています。
県は正式に国のほうへ要請もしていなかったと思います。
金融、情報、観光特区の成功のためには、英語力プラス専門知識を持つ人材が不可欠ですが、先立つものは語学力だからです。
しかし、語学の習得には、長い時間とお金が掛かります。だからこそ戦略が必要なのです。

大学院大学に関すれば、大学院大学そのものより、世界最高水準の大学院大学で研究を行う教授の子弟の学校を世界最高水準のスクールとして磨き上げることが大切であると考えています。
当然授業は英語で行い、義務教育の期間は検定教科書の英語版を用いることで、小中の卒業資格をもらえるようにする。もちろん高校も日本の卒業資格を与えるようにするのです。

更に世界最高水準の子弟の教育機関には、日本人枠、県人枠も作るべきです。大学院大学で県人枠を作ることは愚行でありますが。

人づくりによる沖縄振興、日本の再建。今後ともこのスタンスを貫きます。
●平成15年6月2日

週刊「コクバ」(5月26日〜31日)



海兵隊削減報道について
ロサンゼルス・タイムス紙の報道が反響を呼んでいます。在沖海兵隊約2万人のうち、約1万5千人をオーストラリアに移転されるという計画を米国防総省が検討しているという内容です。2001年9月版の国防見直し(QDR)で、新たな脅威に対応するために世界の米軍配置再編計画が謳われていますが、在沖海兵隊の大幅削減もその流れに沿ったものであると見られます。安保の専門家の一部から、在沖海兵隊の役割は疑われていました。「朝鮮半島の有事の際でも米人の救出作戦のみで、戦い全体の役割はきわめて小さい」(ペリー元国防長官)、「アジア有事で必要なのは、嘉手納空軍基地だけで訓練が主力の海兵隊は撤退すべし」(マイク・モチズキ、ジョージ・ワシントン大教授)などです。

現行の東アジアに対するアメリカの軍配置、戦略は、冷戦当時から大幅な改編が行われておりません。しかし、9・11テロ以降、軍隊の一極集中より、柔軟性、機動性のある分散配置こそが機能的であるという声が強くなり、沖縄やグゥアムより、広大なオーストラリアの移転の有効性を指摘する声がありました。それにプラスして、韓国国民、新大統領の反米運動、対米関係見直し論が、基地再編の機運を高めてきたといえましょう。

今春から2回開催されている、日米両政府外交・審議官級協議の場においても、米国防総省が進める米軍の変革・再編(トランスフォーメーション)がこれから本格的に議論されていくことが明らかになりました。1996年の日米安保共同宣言に基づいた「兵力構成の見直し」協議が本格的に始まることになったのです。

県議会、基地所在市町村でも、基地の整理縮小が幾度と無く決議、要請されてきましたが、微動だにしない現状に対し、無力感が漂う
気配もありました。しかし、明らかに世界は動いており、アメリカ自身もアジア戦略の再考、国内世論の変容が起きています。この時期、
タイミングを最大限に生かしていかなくてはなりません。

そして、基地の縮小が現実のものとなった以上、沖縄側の以下の対応が求められるとわたしは考えます。

1、31237人の軍用地主、728億1100万の賃借料、8491人の軍雇用員等を前提とした基地経済からの脱却を考える。
2、跡利用計画の早急な整備。
3、地位協定の改定で環境浄化、原状回復義務を盛り込む。ちなみに韓国では、在韓米軍基地返還の場合、米軍が環境浄化義務を負う
地位協定の運用改善に合意をした。県も基地内への立ち入り調査権、環境浄化責任権を求めているが、日米両政府間では運用改善でも改定でも認められていない。
4、 日本政府を通した外交ではなく、沖縄県がアメリカと直接、情報交換を行うルートを整備する。日本政府高官の県サイドに対する対応から、在沖米軍の整理縮小に対し歯止めを懸けているのは、日本政府という側面が明らかになった。アメリカの真意を問う側面からも直接交渉を行うべきだ。一連の県基地対策室の対応は正しかったと考えます。
5、 県の広報官(情報収集と情報発信)をワシントンDCに配置する。基地行政が県政最大の課題であれば、ロサンゼルス・タイムス紙記者以上の情報アクセス源を整備するべき。
6、 SACO以外の、在沖米軍基地整理縮小計画を具体的に調査、検証する。

ポスト小泉の有力候補と目される麻生太郎政調会長が3年前に著した「祖父吉田茂の流儀」という本があります。その中で、占領下の
吉田首相が、絶大な権限を持つ連合国軍最高司令官総司令部(GHQ)のトップに君臨するマッカーサーに対し、日本国民のために主張すべきことは主張し、対立も多々あったと繰り返し記されています。

当時の日米間の力関係を考えれば、吉田首相の勇気と気概は恐るべしです。私も日米の健全な関係、安保、外交、そして基地に対し、
主張すべきところは主張し、政府内における在沖米軍基地問題の優先順位が高められるように動きます。

先の日米首脳会談にて、横田基地の軍民共用化は議題の項目になっても、沖縄の基地が議論されていないというのはどういうことなのか?


大那覇空港の実現について
県庁の人事移動がこの春にあり、私が当選以来取り組んでいる、平行滑走路の増設による大那覇空港の実現の担当責任者も一新されました。お互いの面識もかねて、1時間ほど意見交換を行いました。

昨年12月6日の交通政策審議会航空分科会最終答申に、「主要地域拠点空港」、「滑走路の増設等も含めた抜本的な空港能力向上策」という文言を盛り込むまでに至る、県の活動は見事なものでありました。今回から、国土交通省所管の社会資本整備計画が一本化されるので、一般空港の個別位置づけはされていません。ですから、現状は、あくまでもスタート地点に着いたということ以上のものではありません。

中でも、最大の問題点は平行滑走路増設完成までのスケジュールです。県の需要予測では、2011年までに現行滑走路は
容量が限界を超えると指摘されている一方、PIを含めた一般空港の整備指針に沿っていくと、調査事項の検討と調査、PIの形態、
既存施設の活用、埋め立て申請、環境アセスメント、新規事業採択時評価、新規事業採択等で、どんなに早くても2011年からしか工事の着工ができないという点です。すると完成、供用開始は、2021年以降となり、軍民共用等で既に危険な状況にある那覇空港は20年近く待たなくてはならないということになります。作業のスピードアップがまず求められます。

現在、県が取り組んでいることは、国と県の調査に関する役割分担であると報告を受けました。国交省は2400万円の総合調査費を付けましたが、詳細な調査項目、需要予測調査、PIの形態、滑走路の配置案、スケジュール等を調整していきながらでしか、国と県の機能を決めていくことが出来ないということで、今年度は、実際の調査そのものより、その準備と調整に費やされそうです。総工費2000億〜
3200億の総事業という概算も流動的でありましょう。特に、平成16年度の予算獲得額、内容により、国の那覇空港へのスタンスも明らかになります。その働きかけも大切な作業です。

更に、
1、 那覇市、豊見城市、県の連絡会議設置(地元の合意形成。那覇市議会での勉強会もあった)
2、 総合事務局、大阪航空局、県知事との連絡会議設置
3、 促進連盟の会長を知事から経済界へ移行し、事務局も企画開発部から商工会議所へ移す(県が促進の立場であることは間違いないが、今後は、環境アセス、PI等中立的な立場から合意形成を図る役割が県には求められるからとの説明)

沖合い展開の実現には、その緊急性、必要性、妥当性を明らかにするだけでは充分ではありません。県民世論の喚起、意識の持続が遥かに大切なのです。私は今、中北部に生活の拠点を移していますが、那覇空港は、国管理の2種空港であり、国内有数の地方拠点空港です。
ですから、決して那覇だけのインフラではなく、本島、離島、ひいてはアジアに展開する東日本の拠点空港として、機能を高めていかなくてはならないのです。
日本の国際競争力の実現のためには、空港航空交通システムの向上が不可欠という問題意識を常に忘れず、今後とも、このテーマに積極果敢に関わっていきます。

●平成15年5月26日

日米地位協定の改定要求の声が高まりつつあります




地位協定の改定を求める声が、高まっています。
「日米安保は日本は守っても地域は守らない」(宮城篤実嘉手納町長)という言葉にあるように、在日米軍の集中する本県にとって、軍人、軍属その家族、基地と生活との係わりと規定する地位協定のあり方は、県民の生命、安全、環境を守る上で最重要な基地問題の争点で
あるといえます。地位協定に関してはいくつかの発言を行ってまいりました。今後の活動を展開するに当たり、現時点での疑問点を列挙してみます。

(改定の世論を形成することに関して)

1、地位協定の改定を全国民的な課題とすることが課題。その手法をどこから手がけるのか?
  また最近の自民党国会議員をはじめとした社会各層からの改定要求の動きをどう見るのか?

2、韓国でも改定要求が高まっているが、日米間での国民間、国会議員間での連携はあるのか?

3、日本政府が改定に消極的なのはなぜなのか?

4、なぜ外務省はアメリカに改定要求できないのか?
1、国益を損なうのか?2、力関係があまりにも違いすぎているのか?3、アメリカはそんなに恐ろしい国なのか?

5、国会で地位協定の改定を要求すると外務官僚はどのような対応をするのか?委員会での答弁と議員居室等での質問事前事後での対応に分けて明らかにしてほしい。

(地位協定改定の内容に関して)

1、 自民党議連と渉外知事会で合意が図られた改定案の内容、特徴は何なのか?
(例:日米共同拘禁、3条の米国の10年後との基地使用計画提出義務、5条の基地の原状回復義務は日本政府にあるーアメリカ
に責任は無いのか、等々)

2、 自民党地位協定議連が渉外知事会と取りまとめた改定案の「起訴前の被疑者について身柄を日本側に移して日米の警察で管理する共同留置」とはどのような留置状態なのか?施設はどこにあるのか?また、共同拘留に合意された経緯を明らかにしてほしい。

3、被疑者身柄引き渡しの際の「好意的配慮」が日米合同委員会で合意されているが、これは、アメリカの裁量に左右されやすい。
  引渡しの基準を明確化していくべきではないのか?

4、取調べに関して、代用監獄制度や自白強要、被疑者の取り調べで弁護士の立会いを認めていない等が問題に挙げられているが、世界の刑法、刑事訴訟法と比較して実情はどうなのか?

5、各国の地位協定と比較して、本国の地位協定はどのような問題点が挙げられるのか?
  例えば、公務外の違法行為に際し、SACO(日米特別合同委員会)では日本政府が肩代わりをすると合意(法的義務ではない)
しているものの、損害賠償が常に問題になっている。まず被害者の補償は裁判による判決があることが前提であり、米軍の家族に
よる違法行為は、補償の対象になっていない。他国はどうか?

6、日米合同委員会の議事録が非公開であるので、合意内容が遵守されているのか不透明であり、検証の仕様が無いのが問題。

7、地位協定の協議機関である日米合同委員会に、地元の自治体代表者を委員に加えるべきではないか?他国の例はどうか?

8、基地返還後の原状回復義務は地位協定に明記されていないが、アメリカ本国における法律はどうなのか?

9、18条に関する公務外に起こした事件事故等の際の被害者に対する補償は、「努力する」ということのみが地位協定の運用見直しにおいて合意されたが、法的義務として規定が必要ではないか?

10、日本政府は排他的使用権を認めており、基地内で何を行っても国内法の適用がなされないことになっているが、国際法の常識に
照らし合わせて、どうなのか?

11、基地の提供に関する事項は第2条、第4条に規定されているが、日本国内における「施設及び区域」つまり基地の提供、使用は、
「日米合同委員会を通じて両政府が締結」する、つまり、全土基地方式となっているが、これは、日本の国会の審議を経過せずに、
日本中のどこにでも基地をおいていいことになっている。しかも、第2条3項では「必要で無くなれば日本に返還しなければならない、返還を目的として絶えず検討しなければならない」と規定されているにもかかわらず、実際に機能していない。改定が必要ではないか?


(改定に向けた今後の取り組み)

1、 自民党議連は、米国の上下両院、国務省に直接働きかけを行う議員外交を展開するそうだがそのスケジュールは?

2、 稲嶺知事ら三役は、米軍基地を抱える13都道県(神奈川、青森、長崎、茨城、埼玉、千葉、山梨、静岡、広島、山口、福岡、
北海道、東京)の議会議長に、改定決議と意見書の可決を求める要請活動を行うと表明しているが、その進捗状況は?

地位協定が不平等である根本的な理由は、地位協定が1960年に制定され(厳密には、サンフランシスコ平和条約と同時に1952年4月28日に締結された旧安保条約、行政協定の内容が、第17条が改定された1953年9月28日時点の地位協定が、そのまま1960年6月23日に継承された点にある)、人権、正義、国力、国際情勢が大きく変容しているにもかかわらず一度も改定されていない点と、沖縄本土返還が1972年5月15日である以上、地位協定そのものが沖縄の基地の現状を想定していなかった点にある。本来であれば、返還と同時に
地位協定も見直しを図るべきであったのではないか?

今後とも改定に向けての研鑽と運動を展開していきます。
●平成15年5月6日

週刊「コクバ」(4月28日〜5月3日)


今週の主だった出来事を記します。
4月28日(MAN)宜野湾市長選の審判
710票差によるまさかの敗北。選挙の争点が政策そのものではなく、「政治と金」、政治不信の回復に焦点が集まっていた気がしました。昼の議員総会でもその他の敗北の要因がいくつか挙げられていましたが、「知事選、那覇、浦添、沖縄、具志川、名護市長選等と同様な枠組みで選挙に取り組んでいるのだから、負けるはずが無い」という慢心が一番の敗北の要因であったのではないかと私個人は、猛省をしています。普天間移設、跡地利用の動向が心配されます。

4月29日(TUE)「新・戦後フォーラム」に参加しました
日本青年会議所(日本JC)が主催する地位協定改定を考えるシンポジウムが開催されました。私もJCの一員としてスタットして参加し、朝から準備に追われていました。

揚原会頭と安里沖縄地区会長、そして、屋良栄作議員と私の4人で、当日の午前9時よりシンポジウムの打ち合わせを行いました。
その際、私がお互いの共通認識として最低限持っていただきたいと主張したことが以下の3つです。

まず、第一点目には、日米地位協定の問題は、外交問題であるとともに、極めて国内問題の側面があるということです。本土の有識者の多くが安全保障政策を抽象的に論じることがあっても、日米安保の根幹となる在日米軍基地、中でも在沖駐留米軍基地の過重な負担を強いられている本県の現状をどれだけの日本人が理解しているのか。全国のJCマンには、安全保障の歪を一身に背負う沖縄の現実をまぶたに焼き付けていただきたいと訴えました。基地問題とは、ローカルな沖縄問題では収斂されません。あくまでも日本国民全体の問題なのです。

二点目には、JCの全国組織という特性を生かし、地位協定の問題を全国各地域のJCにも共有して頂きたいということです。私は去る
6月議会の場で、「全国知事会の場だけでなく、全国の議会、特に基地所在の都道県議会における改定決議を働きかけるべきだ」と提言し、実際に知事もその動きを始めると明言しました。私は、議会や行政レベルでなく、草の根の民間組織であるJCでの地位協定改定論議、調印式は、間違いなく、全国民の課題として根付かせる第一歩になると信じています。実際に揚原会頭はシンポジウムと記者会見の場で、そのことを訴えていました。

最後の点は、日米地位協定や日米安保を考えることは、日本の安全保障政策そのものを問い直すことであり、ひいては日本という国そのものの「かたち」と「こころ」を捉えなおすことに他ならないということです。特にアメリカとの関係を検証し、論じることは大切です。
日本の政治家も有権者も外交問題、安全保障問題を真正面から取り上げてきませんでした。良質な自衛隊と世界最強国アメリカとの安全保障条約の存在により、戦後58年間戦争に巻き込まれることはありませんでしたが、いつまでもアメリカの傘の下に隠れているわけにはいきません。それは、国際社会の激変に伴い、アメリカですら、世界を如何に解釈し、いかなる世界秩序を構築すべきか、そこに於けるアメリカの役割は何なのかが曖昧になりつつあるからです。今回のイラクへの一連の対応はその顕著な例でありましょう。つまりアメリカの判断が常に正しいとは限らないわけで、日本がアメリカの51番目の州でない以上、日本の国益を考慮したうえでアメリカと行動を共にするならまだしも、無前提的にアメリカに追従することは、思考停止、外交戦略の欠如に他なりません。
もっとも、「日本はアメリカを同盟と思っていても、アメリカは日本を対等な同盟とは見なしていない」(小林節慶応大学教授)冷徹な
事実も認識しなければならない。その上で、日本外交の基軸である国連やアジア外交とのバランスも捉えつつ、国益を考慮していく姿勢が必要です。
シンポジウムでの、宮城篤実嘉手納町長の発言力、存在感は圧巻でした。「日米安保は国は守るけれども基地周辺住民は守らない」と。

全体から痛感したことは、日米の力関係、外交関係そのものを捉えなおしていかないと、地位協定の改定には至らないということです。

4月30日(WED)大学院大学現地視察
2000年6月に当選した自民党議員5人で、恩納村役場、大学院大学予定候補地を視察しました。
はじめに県の担当者から、ブリーフィングがありました。平成16年度の予算が、大学院大学を真に推進する体制作りの基礎となるのでこの夏が勝負の時期となると。2007年の開校に当たり、800億の予算と200億の運営費(200億の根拠は教授一人当たりの研究予算が1億規模)を計画しているが、財務省の猛反対があり、当初は、50人教授体制くらいの規模でもスタートする可能性も。しかし、最終的には、北海道大学のように、企業が研究費用を負担する形態を目指すとの話でありました。
建設予定地の大部分は村有地で、沖縄自動車道とのアクセスもよく、立地条件はいいと感じました。後は、那覇空港沖合い展開と国際線交通網の拡充、更には、空港から直接自動車道路にアクセスできることが出来れば利便性はますます高まります。
大学院大学構想は、100年に一度あるかないかの壮大な構想です。しかし、メガプロジェクトであればあるほど、正確な理解を県民は持たなければならないでしょう。スタンフォード大学が、シリコンバレーを誕生させるまで、1世紀近い歳月を有しました。大学院のスタートが即、ベンチャー企業の誕生と雇用の大幅な吸収、地域振興というバラ色のスケジュールが始まるわけではないのです。

恩納通信所跡地で、「沖縄亜熱帯計測技術センター」にも足を運びました。施設は、天候観測機関ではなく、研究機関ではありますが、
沖縄の特性を生かし、「台風」をキーワードにした体験学習施設も併設してもよいのではないかと感じました。同センター長も台風アミューズメント施設構想研究会のメンバーであるそうです。
実際に私自身、学生時代にオーロラを観るためにアラスカに行きましたが、アラスカ大学アンカレッジ校内にあった一般客を対象にしたオーロラ展示室は学術と地域の観光資源をリンクさせた貴重な施設であると確信しました。

PCB汚染物質保管所も見ましたが、汚染物質が自衛隊のものなのか米軍によるものかは、調査中で結果が出てから対応が決定するとの説明を自衛隊から受ける。環境汚染の際の立ち入り権、原状回復権が地位協定の改定により認められれば、迅速な対応も可能だと痛感。
5月3日(SAT)
沖縄タイムス紙に県内県会議員の憲法に対するアンケート結果が記載。改憲賛成23人、反対20人。アンケート調査の中では、憲法9条に関する記事のみが前面に出ていました。私は今日まで日本が平和を維持できたのは、9条の理念があったからだけとは考えていません。むしろ、安全保障のコストを国民全体で憲法の理念に照らし合わせて考えてほしい。沖縄の過重な基地負担は人権侵害の恐れがあります。その中での集団的自衛権や有事法制の議論に対し、現状のままでいいのか。憲法の持つ規範性と現実世界。沖縄の現実を踏まえない安保論議は空虚です。
●平成15年4月25日

イラク・北朝鮮危機/日本の外交・安全保障問題と沖縄



沖縄への影響は?

イラクとの戦争は、最終局面を迎えているようですが、沖縄への影響はどうなのか。私は、沖縄に立脚した政治家である以上、
沖縄の立場を明確に主張しなければならないと考えています。

沖縄が危ないかどうかは、観光客のイメージ形成によるものである以上、正確な情報収集、情報発信を早急に行わなければなりません。
4月4日の新聞社説。観光。

香港を中心に世界中を不安に陥れている謎の肺炎、SARS(重症急性呼吸症候群)パニックも、正確な情報が海外に発信されているのかは疑わしい。大部分の香港の人々は普段と変わらない生活をしているのではないか。)9・11テロで、風評被害にあった沖縄だからこそ、
理解しなければならない。

1、74.9%の在日米軍基地を抱えた本県にとって、他人事ではない。
2、戦争の長期化に伴いすでに観光客団のキャンセルが生じている。
3、更に、基地等への警備の強化に関する報道は、観光客、地域住民への不安を招く。
4、基地内学生の環境。締め出しの学生55人。
5、約8500人の基地従業員の生活。
6、4月3日夜米軍厚木基地付近でゲリラと思われる爆発音、発射装置と見られる金属製の筒が発見された。
7、朝鮮有事の際のミサイル標的。テロ支援国家の恐怖というものは、不確実性の恐怖である。

1、 基地対策課:知事が、3月18日にブッシュの最後通告に対し、残念である、との記者会見表明。ベッソ総領事と 外務省沖縄大使、
細田沖縄担当大臣らに遺憾の意を表明した。
緊急車両の通行が制限されていたが、今は緩和されている。牧港補給基地、ホワイトビーチ等で。
黙認耕作(定義)も制限があったが今は緩和されている。

2、リゾート局:4月8日現在で、旅行をキャンセルした学校一般団体客は、合計154件17,765人。
        内訳は、修学旅行82校、12,974人。
            一般団体は72件4791人。
        個人旅行のキャンセル分はカウントできない。海外からの振替1114人。       
        
        9・11テロ時点での平成14年3月13日時点
        キャンセル数:249,662人(修学旅行学校数879校、人数198306人、一般団体1251件、51356人)。
        個人旅行はカウントしていない。海外から沖縄への振替2700人。  
  
対応策:9・11テロの反省を踏まえ、情報発信、観光業との連携等早期の対応措置を取ったことは評価できる。
    正確な情報発信の内容は、「イラクの戦争があっても、沖縄の人間は普段と変わらない生活をしている」ということ。
・ 2月25日:各都道府県教育委員会等へ沖縄観光情報の文書送付(観光リゾート局長名、3月24日知事職務代理者名)
・ 旅行業代表取締役社長、内閣府、国土交通省、文部科学省、各都道府県知事、各都道府県教育委員会へ文書送付。
・ キャンセル校等への直接出向いて沖縄観光の現状について説明(2月17日から4月8日までに学校18、教育委員回答13)。 
・ 観光業、市町村、県庁内、政府との情報交換と観光緊急対策班の設置。
・ 沖縄県・沖縄観光OCVBのホームページによる情報発信。

3、基地内大学学生:基地内大学の学生に対し、嘉手納基地と読谷村のトリイ基地が通行証(パス)を発行せず、日本人学生が締め出されている。9・11やアフガン攻撃の際も発行しているにもかかわらず、1988年の県民就学事業スタート以来、初めての措置。海兵隊の施設で授業を受けている学生が55名。学業は存続しており、単位が取れないということではない。
  
4、防衛施設庁:3月19日に基地内労働者の生活保証等を全駐労は施設庁に申し入れた。警備の関係での渋滞が生じたが、それ以外に
特に影響は無い。9・11の際も特に無かった。

5、沖駐労:ゲートの警備が厳重になった以外は、基地従業員への影響は特に無い。

6、観光業:

7、県警察本部:600人体制であるが、通常業務を兼ねた対処部隊であり、制服を着ている部隊ではない。爆発物班、事件対応班。
県外から約300人(600人のうち80人減らした)新聞報道では330人。テロが相手である以上、明確な数字を出したくない。
米国領事館を2人から4人へ。空港。目立たないように行っている。パトロールしている。基地、電力ラインも。
テロを起こさせない体制作り。基地を守るということではない。大衆が集まる場所が標的になっている、という認識を持っている。県民の方からの苦情も無い。


世界的に見ると航空需要、航空会社への影響も大きい。

イラク・アタック

イラクは、23年間に5つの周辺国を攻撃し、湾岸戦争後の23年間に17の国連決議を無視してきた。
日本は、イラク攻撃の正当性、北朝鮮の脅威、日米同盟の重要性を理由に、米国支持。
シーア派はイスラム教の1割の少数であるが、イラク国民の6割は、シーア派。

1、戦争が長期化した時点で、アメリカの負けである。
アメリカの政府高官、専門家らは戦争は短期で終結すると想定し、イラクの士気、戦力を甘く見ていた。
2、今回の戦争の出発点は、一昨年の9・11テロ。その際のブッシュ大統領は「テロとの戦い」を宣言していたが、テロとの戦いは、
  終わり無き、勝者のいない戦いであるのだ。
3、アメリカと世界は2つの戦いに直面している。ひとつは大量破壊兵器の破棄とフセイン体制の崩壊。もうひとつは、イラクの復興と中東の安定。ネオコンが目的とする中東全体の民主化は、壮大な実験でもある。
キリスト教原理主義(ネオコン)VSイスラム原理主義との戦い。
  復興案では、米の米国単独の暫定統治機構案と英国の国連主導案があるが、日本は、当然、英国案を支持すべきだ。
4、アメリカは、イラク攻撃の理由を、9・11からのアルカイダとの関係、大量破壊兵器とテロへの関係、サダムフセイン体制の崩壊、
国連決議無視、そして、イラク民衆の解放という理由であったが、実際にアメリカの攻撃が始まれば、イラク国民は歓迎するどころか、アメリカ軍を侵略者としてみて、ジハード(聖戦)としか見ていないことが判明した。

5、アメリカは、軍事的勝利、イラク民衆の支持、中東外交の影響力保持の3つを求めながら戦いを進めている。

(戦争の長期化がもたらす弊害)
・自爆テロを含めたテロの暴発を招くことになる。
・一般市民を巻き込む悲惨な戦時映像が世界中を駆け巡ると、アメリカを含めた世界各国で反米感情が強まる。
・ 米情報機関が「クロ」と見ていた10ヶ所の施設からいまだに大量破壊兵器は見つかっていない。攻撃の根拠が曖昧に。
・ 「クロ」と見ていた情報を国連の査察団に提供していたのか。国連査察団への非協力が問題化していかないか。
・北朝鮮の暴発。
・中東全体の不安定化とアラブナショナリズムの結束を強める。
・米軍の駐留と米国主導の復興への反感。
・地上部隊10万人増強が更なる長期化へ。
・市街戦に入ると、ハイテク兵器は使用できず、民間人を多く巻き込む結果となる。
・戦争の最終局面で、追い込まれたバース党政権の残党によるBC兵器の使用があるかもしれない。

11月8日1441決議への判断。
国連安保理での決議「深刻な結果を招くことになる」とは、国連安保理の判断である以上、アメリカが単独で攻撃することには疑問。
アメリカは、自衛権との解釈なのであろうか。

先制攻撃という新戦略:通常の国際法解釈によると、自衛権行使以外の武力行使は認められていない。

復興支援と予防外交

・ 日本の天皇制のような社会安定装置は存在していない。
・ 民主政権を前提にするのではなく、大量破壊兵器の破棄と国際社会との強調を踏まえる政権であれば、是認するべきである。
・米の暫定統治機構案は、米国が暫定政権の全閣僚を独占。イラク人は顧問役。英国は、国連中心の復興案を提案。
・イスラエルとパレスチナ、アラブ全体の和平交渉

テロとの戦いには、ハイテク兵器は通用しない。NGOは情報をふんだんに持っている。
FACE to FACEの関係構築、英国のような諜報活動の専門機関が必要。

日米の学生が水族館に行った際、アメリカ人は魚のみを見ていたが、日本人は魚、海草、レイアウトなど複合的に見ていた。テロの分析は、複合的に社会を考察しなければならない。日本人は、適正があるのではないか。

北朝鮮危機

国連安保理は、4月9日に北朝鮮核疑惑をめぐり、アメリカの提案で非公式協議会を開催する。アメリカは北朝鮮への核開発に関する
非難決議を提出したがっているが、フランスは同意しているものの中国、ロシアは北朝鮮を刺激するべきではないと反対を表明している。
特に中国は、経済制裁も含めて反対した。
結局は、非難声明は採択されなかった。
一方北朝鮮は、国連でのあらゆる協議や決定は無効とし、あくまでもアメリカとの2国間協議にこだわる姿勢を崩さず、経済封鎖は
「宣戦布告」とみなすと表明している。
同国の核不拡散防止条約(NPT)脱退手続きが10日に完了するため、安保理の対応協議。国際原子力機関(IAEA)は、核疑惑を安保理に付託。
 
・ イラクより、北朝鮮危機(拉致・ミサイル・核開発)が差し迫った危機である。
・ 北朝鮮への危機対応、特にミサイルへの危機管理体制を日本は持っていない。
・ 日米韓3カ国に中国ロシアの多国間協力が大きい。

(平壌宣言への評価)
・拉致への言及が無い。
・核に関する国際的合意の遵守は既に破られている。それは、平壌宣言から3ヶ月もたたないうちにNPTを脱退した、ということ。
・ 「関係諸国間の対話促進」という文言だけでは、米朝間の対話が先行しがちであるので、「日朝間及び関係諸国の」と日本の
主体性を明確にすべきであった。

日本の対応は?

(イラクへの対応)
対米機軸外交とともに、国連、アジア外交の3本柱をバランスよく、取り組む。
今回日本は、アメリカ支持をいち早く表明したが、今回、国連、アジア各国と、イラク対応に対し、どのような協議、連携があったのか。
韓国は、700人の派兵を決定した。
(北朝鮮への対応)

ノドンのような、音速の10倍以上のスピードで、突入してくる弾道ミサイルを迎撃する技術は世界中どこにも無い。

1、 ミサイル防衛計画は、最低2兆円、10年以上の歳月がかかるが、
ノドンミサイルに対抗するため、日米共同で、ミサイル防衛構想の実現化が求められる。
ロシアのイワノフ国防相もミサイル防衛参加を表明している。
2、 防衛庁は共同研究とは別に、弾道ミサイルに対応できる米国が開発した地対空ミサイル・パトリオット(PAC3)を
来年度以降先行して導入が検討。
3、 集団的自衛権に関する政府の憲法解釈も必要。「標的が日本なのかどうかを判断できない状況での先制攻撃は不可」との声もあるが、
ノドンミサイルは、発射から7、8分で日本に届くので、発射基地を叩くしかない。今は、米国に攻撃を全面的に依存していたが、
防衛状況は大きく変わった。(「座して死を待つのではなく、敵の基地をたたくことは自衛権の範囲内」鳩山総理、1956年)

テロや不審船も有事と定義する(4月9日時点)
 
沖縄県議会議員 國場幸之助
 


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